2010年01月31日

心の声

金曜日、とっても落ち込むことがありました。

四肢麻痺で、気難しく我が儘な利用者さん。
ここでも何度か書きましたが・・・

お風呂から戻ってきて、ちょうどユニットに届いていた
おやつの介助をして、車椅子を居室に押して行き
テレビの前の定位置につけてブレーキをかけ
「これで大丈夫ですか?」と声をかけて
リビングに戻ろうとしかかった時
利用者さんが「おでこさん」と呼びました。

「はい?」

「来月は私の誕生日」

そうですよね・・・と言おうとした瞬間、利用者さんは

「そして私の命日!」
叫んで急に泣き出したのです。

この方、脳幹出血で不自由な体になられました。
たぶん、2月に倒れられたのだと思います。

「49歳の時にこんな体になった!」(現在63歳)
「2〜3年だろうな・・・って思っていたら、こんなに生きちゃって」
と、辛そうな顔をなさる。


この方、地元の有名高校を主席で卒業し、W大学に入学。
その後も華々しい道を歩んできた方。
普通に話をしていても、頭の良さが伝わってきます。

そういう人が、若くして四肢麻痺、左目の視力と左耳の聴力も
失い、言語不明瞭。他人よりずっとプライドが高いのに
自分でできることはごくわずかしかない生活。

どんなに辛いか、なんて本人以外にはわかり得ないことでしょう。



普段、周囲のことには我関せずで、自分の方針を貫き通し
悪い言い方をすれば「俺様」状態で、もちろん泣いたことや
弱音を吐いたことなどなく、強く生きている人が
思いがけない時に思いがけない姿をさらしている。
いわゆる「感情失禁」というのはこういうことなのか?


「辛い」ってことがビンビン伝わってきているのに
私はどんな言葉をかけて良いのかも判らず
ただ彼の肩を抱いて、自分も一緒にウルウルべそをかくことしか
できずにいました。

少しすると、利用者さんはいつものようにテレビのスイッチを入れ、
いつものように「どうも」と言いました。

「○さんがいなくなったら私はイヤです。長生きしたくないなんて
言わないでください」なんて、バカみたいなことしか言えず
居室を出ました。。。

その後、私は平静を装っていましたが動揺が治まらず、
ず〜っとドキドキしたまま。
さっきのことを記録に残している時も涙出そうになるし。(/_;)


夕方、帰る前に利用者さんの居室に顔を出し
「大丈夫ですか?」と聞くと
「何が?」という表情の利用者さん。
「さっきは私、もの凄くビックリしたんですから」と軽く睨んでみた。
利用者さん、ニヤリと笑みを返してきました。
・・・とりあえず、もう大丈夫みたい。。。

でも私は、家に帰っても気持ちを引きずったままです。
2日経って、やっと自分も落ち着いたけれど・・・

普段、他人に見せない感情に触れてしまったのに
私にいったい何ができるのでしょう?

ただ、長生きしてねとか、そんな空々しいありきたりの言葉は
かけたくない。でも、ほっておけない。
どうすれば良かったのか?


「誕生日プレゼント、何がいいですか?」と聞いても
「別に・・・」ととりつく島もない返事。
なにか・・・すっごく意外ですっごく喜んでもらえるような
プレゼントってないかな・・・?


私、人の心のことには興味はあるけれど
臨床心理士とかカウンセラーには絶対向いていないと思う、今日この頃。
posted by おでこ at 17:12| Comment(5) | TrackBack(0) | 介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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